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パラメータは一切不要!VMware SD-WANの拠点間接続②

はじめに

久々の投稿になります。
前回は横道に逸れて、VMware SD-WANのProfileとEdgeについてご説明しました。

virtual-real.hatenablog.com


VMware Explore 2022 USを間に挟みつつ、拠点間接続を機能させるCloud VPNに戻ってきたいと思います。

今回はVMware SD-WANの拠点間接続(Cloud VPN)とHubについてご紹介していきます。

 

Cloud VPN(拠点間接続)のトポロジー

VMware SD-WANにおけるVPNトポロジーは、”Hub&Spoke”(ハブ&スポーク)が基本になります。

つまり拠点間(Spoke間)の疎通は、Hubを経由して行われます。VMware SD-WANではBranch to Branch VPN(略して B2B VPN)と呼ばれる機能によって実現されます。

拠点間(この場合はSpoke間)が直接疎通させるトポロジー、”メッシュ”ですが、それっぽい動作をさせることは可能になります。
Dynamic Branch to Branch VPN(略してDB2B VPN)という機能になりますが、拠点間接続の際、その名の通り動的にSpoke間を直接VPN接続します。ただし、初回(拠点間がVPNを構成する前)の通信は、Hub経由で行われるため、Hubが不要になる構成ではありません。


 ※初回の通信は赤点線、2回目の通信は赤実線

補足ですが、動的に接続された拠点間のVPNは、3〜5分の無通信状態になると自動的に切断されます。また、拠点Edgeの製品仕様のVPN接続上限に達すると、VPNが構成されず、Hub経由によって疎通されます。

Cloud VPNの中核を担う、Hub

拠点間接続を実現させるCloud VPNですが、その中心にはHub(ハブ)があります。

一般的なネットワーク機器におけるHubは、トラフィックの集約点となり、Spoke間通信の中継を行います。一方でVMware SD-WANにおけるHubは、プラスして、”VPNの管理”を行います。

VPNの管理と言いましたが、特別複雑なことではなく、自分(Hub)に対するSpoke間の接続(拠点間接続)を管理をしています。

 

VMware SD-WANのHubについて、面白い点として下記の2点を挙げます。

・Hubは複数設定できる
・拠点間接続用HubとしてGatewayを使うことができる

 

複数設定できるHub

VMware SD-WANでは、Hubを複数設定することができます。

Hubは拠点間接続をする際の中継点となります。そのためHubは稼働率を高くしなければなりません。そのHub自体を複数設定・定義することができるため、高い冗長性を作ることが可能になります。
 ※Edgeの高可用性(HA)や、複数Edgeによるクラスタとは別の機能になります。

 ※上図のように片方のHubが使えなくても、もう片方のHubによって拠点間接続が実現

 

GatewwayがHubになる

Hubは拠点間接続をする際の中継点となります。そのためHubは稼働率を高くしなければなりません。(大事なことなので何度も言ってます)そんな重要なHubですが、管理運用面で色々と検討するのが大変であれば、サービス側(VMware)に面倒してもらうことが可能です。

Gatewayは、サービス側(VMware)で運用メンテナンスされ、冗長構成が取られているので、ユーザ側で障害、ファームウェア更新や停電対応など、Hub運用をしなくて済むのは良いですね。
注意点として、GatewayでHubとして動作するのは、「拠点間接続(B2B VPNおよびDB2B VPN)における機能」となります。

 

さいごに

Cloud VPNトポロジーとHubについて、ご紹介しました。今回は概念や機能紹介の内容になりましたが、次回はどの辺が便利なのかをお伝えできるかと思います。

Hubをどのように構成するかは、VMware SD-WANの設計に大きなポイントとなるので、別途機能について紹介したいですね。

今日のむーたん